プレオルソは、「マウスピース型矯正装置」を用いて、口周りの筋肉を訓練することで歯並びを改善する矯正装置です。この装置の特徴は「歯を直接動かす」のではなく、歯並びを悪くしている原因(口の周りの筋肉)を改善することで「間接的に歯並びを改善」していくことです。
歯は、歯を取り囲む筋肉(口腔周囲筋)や舌による影響を受けます。したがって、口呼吸(ポカン口)や指しゃぶり、舌で歯を押す癖などがあると、バランスが崩れて不正歯列へとつながっていきます。 これらの悪習癖を早期に改善して、呼吸、舌、口腔周囲筋などを正しい成長に導くのが口腔筋機能トレーナーであるプレオルソの役割です。
この装置を使用することにより、本格的な矯正である2期治療の必要がなくなるお子様もいらっしゃいます。また、2期治療が必要になった場合でも、永久歯に生えかわるまでの期間に、プレオルソを使用しておけば、治療期間が短くなり、矯正後の後戻りも起こしにくいという利点があります。お子様が普段ポカンとお口を開けたままであったり、口で息をしていたり、唾を飲み込むときに舌を出すような癖がありましたら、一度ご相談ください。
歯並びは、口周りの筋肉(舌・頬・唇)のバランスに応じて決定されています。この口周りの筋肉のバランスが悪ければ歯並びは悪くなり、バランスが良ければ理想の位置に自然と並びます。例えば、舌の力が強いと、舌が歯を前に押し出そうとします。唇の力が弱い場合は、舌が歯を前に押す力を唇が抑えられずに歯が前方へ押し出されます。しかし、唇の力が強ければ、舌が歯を前に押す力を抑えて(バランスがとれて)歯は動きません。
プレオルソを装着すると、舌を突き出すことや、舌で下の歯を前へ押すことができなくなり、舌を自動的に正しい位置に誘導します。さらに、唇や頬の筋肉を鍛えることで顔の筋肉を正しく発育させます。つまり、口腔筋機能トレーナーであるプレオルソをお口に入れることで、口周りの筋肉を訓練しバランスを調整してくれますので、結果、歯が正しい位置に並んでいくことになります。
プレオルソは、小児期の骨格が成長する時期(5歳から10歳ぐらい)に実施することで非常に大きな効果が期待できます。ワイヤー等を使用した本格的な矯正治療に入る前に行うので、準備矯正やプレ矯正とも呼ばれています。
上顎前突とは、「出っ歯」とも呼ばれ、上の歯が下の歯よりも過剰に前方に出ている状態を指します。前歯が出ているので、唇が前方に突出して半開きになりやすいのが特徴です。上の歯だけが出ている場合もありますが、顎の骨が前後にズレていることが原因になっていることもあります。
開咬とは、奥歯でしっかり咬んでも、前歯が咬み合わない状態の歯並びを指します。開咬は歯列によるものと骨格によるものとに分かれ、幼年期の指しゃぶり、舌の使い方や癖、アゴの骨格など様々な原因が考えられます。
下顎前突とは、「受け口」とも言い、骨格的に下顎が大きい状態のことを指します。原因は前歯だけが位置的に前後している場合もありますが、顎の骨格ごと前後にズレていることも多くあります。
口腔筋機能トレーナーは、成長期の「出っ歯」「受け口」などの前歯部の咬み合わせの改善に有効です。しかし、「交叉咬合」や鋏状咬合「(すれ違い咬合)」など奥歯の咬み合わせの問題を改善するのは苦手な傾向があります。プレオルソで全ての歯並びが改善できるわけではありません。
プレオルソは、固いプラスチック素材ではなく、ポリウレタン製の柔らかい素材でできています。したがって、装置をお口に入れることに抵抗感が少ないと言えます。
プレオルソは既製品です。したがって、歯型を取る必要がありません。
お子様の歯列に応じた装置を選択して装着していただきます。既製品なので調整は必要ありません。
装着時間は、就寝時と日中の1時間です。学校に持っていく必要はありませんので、日常生活への影響がほとんどありません。使い方は簡単で、お口に入れるだけです。プレオルソは、ポリウレタン製で柔らかく、筋肉トレーニングの要素があります。マウスピース型の矯正装置は、簡単に取り外せるという大きなメリットがありますが、お子様自身が決められた時間、装置を装着しけなければ治療が進まないので注意が必要です。
固定式の矯正装置は、構造上、多少の違和感や痛みを覚えうことがあります。しかし、口腔筋機能トレーナーはマウスピースタイプなので、違和感や痛みがほとんどありません。また、食事のときに装置を外せるので、お口のお手入れがしやすく、虫歯の心配が少なくなります。
「歯並びが悪くなる原因」の1つである悪習癖を改善することができるので、矯正治療が終了した後の後戻りの可能性が低くなります。
プレオルソによる矯正治療終了後は、悪習癖が修正されて、お口の環境が改善します。したがって、本格的な2期矯正治療を開始するとなった場合でも、治療の期間が短くなる等の効果が期待できます。そのため、小児期を過ぎてから矯正を始めるよりも、矯正にかかる費用を抑えることができます。