保護者の方から「子どもの矯正はいつ頃から始めるべきでしょうか?」という質問を頂きます。私はいつも「治療に適した時期は患者様によって異なります。矯正治療をするしないにかかわらず、お子様の歯並びが気になったら矯正相談をご利用ください」とお答えしています。お子様の歯並びが次のような場合はお早めにご相談ください。
顎と歯の大きさに不調和があり、歯が生えるスペースが足りなくなれば、永久歯は重なりあって生えてくる可能性が高いと言えます。
乳歯の時に、永久歯がきちんと生えるだけのスペースがあるかどうかを判断するひとつの目安は、乳歯と乳歯の隙間です。
乳歯列期はきれいに歯が並んでいるよりも、乳歯と乳歯の間に隙間があることの方が良好な状態にあります。
上顎よりも下顎が前方に出ている受け口(反対咬合)になると、咀嚼や発音などに障害が出る恐れがあります。
受け口の矯正治療は、遅くなると骨格性(下顎が大きくなる)となり、一般的な矯正では治せなく、外科的矯正治療が必要になることもあります。できれば乳歯列期(3歳)から遅くても混合歯列初期(7歳)までに治療を開始したほうがよいでしょう。
子供の反対咬合は、プレオルソなどの使用で改善することができます。しかし、骨格性の要素が大きい場合は下顎の成長を抑制する矯正装置を使用します。
成人矯正は、すでに骨格的な成長と歯並びが完成している状態から治療を始めるため、顎と歯の大きさの不調和を改善することがほとんど出来ません。したがって、不調和が大きい場合は、歯を抜歯して歯並びを改善することが必要になります。
しかし、小児期は、骨格の発育段階にありますので、その発育を適切にコントロールすることで、理想的な顎の骨格へ誘導して良好な歯並びを手に入れることが可能になります。骨格の成長力を利用した矯正治療ができるのは小児期だけであり、小児期に矯正を開始する最大のメリットです。
矯正治療に関する患者様のご要望や不安な点などをお伺いするための無料矯正相談を設けております。なお、矯正相談は予約制とさせていただいております。電話またはネットにてご予約ください。ご相談だけであれば、費用はかかりません。
無料矯正相談では、お子様の歯並びの状態、どのような心配をお持ちなのかをお聞かせください。相談したからといって検査を受ける必要はありません。患者様からの希望があった場合のみ検査を実施します。
患者様からのご希望があれば検査を実施いたします。矯正治療に必要な標準的検査は、歯や顔全体のレントゲン、横顔やお口の写真撮影、歯の型取りです。ただし、虫歯等の疾患があれば矯正に悪影響を及ぼす可能性がありますので、虫歯の検査も同時に実施いたします。
矯正治療の検査後、1週間~2週間(矯正装置の希望による)をかけて検査データをしっかりと診査診断いたします。その後に患者様に治療計画を説明いたします。どのような矯正装置を選択できるのか、治療スケジュール、治療費などについてお伝えいたします。矯正装置、治療期間、治療費などすべてにご納得いただいた時点で治療開始となります。
虫歯等の疾患があれば、矯正治療を開始する前に処置をいたします。お口の状態が整った段階で矯正治療を開始いたします。 矯正治療の来院間隔は、およそ1か月に1度です。
Ⅰ期治療の場合、歯が並ぶ土台となる顎の骨が拡大または悪習癖が改善すれば、矯正治療は終了となります。ただし、歯並びの状態がどう変化していくのかを見守るためには、乳歯が永久歯に生え変わり、永久歯列が完成するまで経過観察が必要です。