はじめて来院される場合、いきなり治療を始めることはありませんのでご安心ください。お子様とのコミュニケーションをとり、歯医者の雰囲気に慣れてもらうことから始めます。まずお子様に診療チェアに座ってもらい、お口をあける練習から進めていきます。お子様が安心してくれたら、歯ブラシをしたり、シ-ラントなどの予防処置を体験してもらいます。その後に、虫歯を削ったり、詰め物をする治療を行っていきます。
保護者の方から「すぐに虫歯治療をしてください」というご要望をいただくこともありますが、無理な治療は、そのお子様にとってトラウマとなり、歯医者から足を遠ざける原因になります。また、成人してからも、歯医者に通うのが億劫となり、結果として、お口の健康を阻害することになりかねません。したがって、緊急時を除いて、押さえつけての無理な治療はいたしておりませんので、ご了承ください。
痛みの感じ方は人それぞれ異なりますので、実際のところ、完全無痛治療というものは存在しません。しかし、お子様にとっては「痛くない治療」が歯医者へ通う1つのモチベーションになり得ますので、様々な取り組みを実施しています。その結果、多くのお子様が泣かずに治療を終えたり、「痛くなかった」と笑顔で治療を終えています。
お子様の「怖い」という心理状態が、痛みを過敏に感じさせます。したがって、お子様がリラックスして治療を受けることができるように、こまめに声かけを行い、できるだけお子様の恐怖心をほぐすように努めています。
歯を削ったり、抜いたりするような痛みが出やすい治療には、麻酔をしますので痛みは感じません。しかし、注射のチクッとした痛みは、お子様にはとっても恐怖です。麻酔注射をする際の痛みも感じさせないように、注射を刺す部位に、あらかじめ軟膏タイプの表面麻酔を行います。
注射の痛みを軽減させるために、超極細の針を使用します。鍼治療と同様に、細い針なのでほとんど痛みを感じません。また、針を挿入するときは、針を動かすのではなく、粘膜をひっぱることで、ほとんど無痛状態で麻酔が出来ます。
3歳を過ぎた頃から虫歯が多くなる傾向にあります。乳歯は虫歯の痛みを感じにくいにも関わらず、進行が早いので注意が必要です。お子様の歯を虫歯から守るためには予防することが何より重要ですが、もし虫歯になってしまったら、放置せずきちんと治療を受けましょう。また定期健診を受けて、毎食後の歯磨きと仕上げ磨きでお口の中を清潔に保つようにしましょう。
乳歯は、歯の表面のエナメル質や歯の内部の象牙質が薄くて柔らかいので、虫歯菌に冒されやすく、虫歯になる確率が高くなります。
乳歯は永久歯に比べて再石灰化(虫歯を修復する作用)の力が低いので、永久歯と比べると虫歯になりやすいと言えます。
お子様は歯磨きが上手くできずに、磨き残しが多くなりがちです。それが虫歯の原因となてしまいます。
虫歯の状態にはいくつかのステージ(進行度合い)があります。ごく初期の虫歯であれば、歯を削る必要はありません。ただし、歯を削らないといっても、そのまま放っておくという意味ではありません。歯の再石灰化(虫歯を修復する力)を発揮できるように管理する必要があります。当院では、現在の状態をしっかりと把握した上で、「過去の過ちを繰り返さないように何をすべきか」「健康を取り戻すために必要な治療とその選択肢」について分りやすく説明いたします。
歯が溶け始めて虫歯が始まっている状態です。まだ穴が開いていたり、黒くなっていたりはしません。フッ素入り歯磨剤の使用や食生活管理により、虫歯を修復する力(再石灰化)を促すことが出来れば、治療は必要ありません。
歯の表面を覆っているエナメル質が溶かされ、小さな穴が開いた状態です。象牙質まで達していないので痛みはありません。虫歯を削り取って白い樹脂で充填する治療が必要です。
歯の表面のエナメル質を突き破ってしまい、下層の象牙質にまで虫歯が進んでいる状態です。象牙質がむき出しになっている個所があるので、冷たいものや甘いものがしみます。虫歯を削り取って詰め物で修復する治療が必要です。
虫歯がエナメル質と象牙質を溶かして、歯の神経である歯髄にまで到達した状態です。通常、激しい痛みを伴います。神経が壊死すると細菌が歯の根の外側で炎症を起こして膿が出たり、歯茎が大きく腫れたりします。歯の神経を取り除いて根の中をきれいにする根管治療が必要です。その後、被せ物で歯を修復します。
歯冠が崩壊して、歯根だけが残っている状態です。治療できる歯質が残っていれば、C3のケースと同じように根管治療をおこないます。症状によっては抜歯が必要なケースもあります。治療できる歯冠部分が残っていれば、C3のケースと同じように根管治療をおこないます。症状によっては抜歯が必要なケースもあります。